UAHFの発表とその後
先日UASFによる半ば強制的なSegWit実装に向け、BIP148という提案が出され、かねてより問題になっていたブロックサイズの問題が解決方向へと動き出した。8・1以降にSegWitに同意しないブロックは正当なブロックとして受け入れない、というのが大まかな内容であった。
これはブロックサイズ問題解決への進展に加え、ASICBoostというマイニングにおけるバグ(独占的なズル)を除去するものであった。しかしここで、このASICboostを搭載したマイニングマシンでマイニングを行うBitmain社よりUASFに対抗する声明が発表された。 それがUAHFである。
-
UAHFの内容
UAHFの内容はBItcoin Unlimitedの提案の復活が主な内容です。
BitcoinUnlimitedはブロックサイズを可変的に引き上げることでブロックサイズ問題を解決するという内容でした。UASFが実行されれば、可変的なブロックサイズのブロック(UAHF、big-block)は正しいブロックとして認められないため、こちらはこちらで、強制的に認めさせたブロックをチェーンに繋いでいくようにマイニングしていくぞ、という事で、別々のルールを持つブロックチェーンへと分裂することになります。
・UASFが実行された後、Bitmainがプライベートな環境で72時間ビットコインを採掘する。採掘されたブロックはネットワークへ伝播されない。
・BIP148が支持され分裂に成功した場合、または市場がbig-blockを支持した場合伝播。big-blockがすでに採掘されていた場合はそちらに合流。
・ブロック生成時のサイズリミットは2MB未満とし、8MB以内を受け入れる設定とする。(Bitcoin Unlimited)
引用: http://btcnews.jp/416uxp5e11518/
Bitmainサイドは、
UASFが実行されれば、とにかく自分たちの支持するルールでマイニングを続け、認めるところが出てくれば合流していくよ、というスタンスになります。
これによりビットコインは確実に分裂するのでしょうか。別々にフォークしたとしても片方だけがガラクタになれば、そもそも無いものと同じなわけで。フォークしてその後がどうなるかというよりも、「UASFが実行されれば、価値がつくので、いくら反対したくてもSegWit対応してマイニングせざるを得ないだろう」という目論見に反抗する形でまたまたカオスな状況を作ってしまったなあと思っています。
ただの脅しの可能性もありますが、実際に8/1以降にフォークして別々のビットコインをマイニングするとなれば、ハッシュパワー不足により、UASFチェーンは次回のディフィカルティ調整までは取引の承認にかなりの時間を必要とします。Bitmain側から、「UAHFしてしまえば、UASFチェーンは誰がまともにマイニングして成立させるの?」とはっぱをかけられた感じでしょうか。なんとも醜い攻防です。
しかしこれは、やはりUASFがやり方としてベストではないための衝突です。BitmainもUASF自体を51%アタックとも表現しています。
この発表ののちにビットコイン価格はいったん25万円あたりまで暴落しました。
-
そのほかのマイニングプール、取引所からの発表
そんな発表を受けてか、そのほかのマイニングプールから声明が発表されました。
なおUASF(支持するユーザーによるSegWitアクティベート)まで後46日となって居ますが各マイニングプールと企業が続々と意思表明し、SegWit2x支持ではない事を述べています #ビットコイン #Bitcoin #仮想通貨 #フィンテック #ブロックチェーン #UASF https://t.co/z2d40YZWes
超速報:この円卓会議で #SegWit2x を支持するとし署名した企業は中国三大取引所OKCoin, BTCC, Huobiを含むBU派Bitmain, ViaBTCまた今朝声明を出したBixinやF2Poolを含むほぼ全ての中国主要企業となる #ビットコイン #仮想通貨 https://t.co/nDdThiC4eU
超速報:三大取引所含むマイニングプールは「#SegWit2x のテストネット5に参加し、6月19日から投票を行う。NY協定はコインベースで書かれ、UASFの前に7月31日にSegWit2xを実装したい」と発表 #ビットコイン #仮想通貨 #ブロックチェーン #UASF https://t.co/mVoi1HfwIu
折衷案を中国系が支持するという事のようです。
→(6/22 追記)今回のSegWit2xは、UASF(BIP148)のSegWitと互換性があるということ のようです。2MBはさておき、SegWit対応の如何で8/1にハードフォークしないように提案・支持が行われていると考えられます。
再びゴタゴタしてきていますが、どこがどういう対応をするかという事に注意して動向を追わなくてはなりませんし、日本の取引所からの声明も早く出されることを望みます。主要取引所がはっきりと声明を出せばUAHFのような脅しもだんだん効果は薄れるのではないでしょうか。
ここ最近のごたごたから見れば、やはりビットコインのネットワークにおけるマイナーはやはり強い存在であって、初心者考えで思うことは、UASFを安全に実行する場合、一時的にでもハッシュパワーを用意して支持する案をマイニングという形で表現しなければいけないのかなという事です。価格も上がってる事ですし、どこかマイニングがペイする場所でもないのでしょうか...。
技術的な進展があって、価格が上がっていくことが正しい相場なのかもしれませんが、
価格が上がってしまう
↓
マイニングができてしまう
↓
ハッシュレートが分散化される
↓
安全にSegWitがアクティベートできてしまう
という事が起きても良いのではないでしょうか。それでもやはりUASFではない形でSegWitをアクティベートするにはかなり合意のハードルが高いですが…。
今の価格はバブルであるという見解が多数ですので、現状の価格でマイニングの損益ラインを考えるのは阿呆かもしれませんが、マイナーの分散は今回の件を見るに必要であるように思います。
マイニングに関して、詳しいわけでもないですが、価格がこれだけ上がるのならマイニング事業に乗り出す企業が出てきたりしてハッシュレートの力関係が変わってくるといいのになあと思っています。
その点において、マイニング事業に補助金がでたというニュースはなにか面白いきっかけとかになってくれないのかな(笑)
モンタナ州、ビットコインのマイニング事業に助成金を交付 | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース
- さいごに
5月頭あたりから、なにかとビットコインの情報を追っているのですが政治問題はかなり深刻だなあと思いました。
こんなにゴタゴタしてる時点でビットコインはクソ、なんていうツイートも見たりしました。ビットコインはほかの通貨とトレードできることだけが唯一の救いだ、そんな機能はリップルがブリッジ通貨として機能すればビットコインは一気に覇権を失う!という考えもあるようで、XRPとは、というところから色々読んだのですが、かなり難しくてよく理解できませんでした(笑)
もうしばらく勉強してみたいのですが、ここから読んでみてはという記事があれば教えて頂きたいです...
終